カナダ日本語教育振興会 Canadian Association for Japanese Language Education (CAJLE)

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オンラインでの草の根教師研修活動:「先生オンライン」

シュナイダー恵子(Saboten Web Design/Albuquerque TVI) kschnei@sabotenweb.com
カナダ日本語教育振興会2003年年次大会
8月21日(木)12:15-12:45 Professional Faculties Bldg. RM 164
この文書はhttp://www.sabotenweb.com/conference/でも御覧いただけます。

要旨:従来の教師研修は期間を決めて参加者を一ケ所に集めて行われることが多かったが、費用、日程などから誰でも気軽に参加できるというものではなかった。「先生オンライン」ではインターネットを利用して、非同時性コミュニケーションのメーリングリストと、同時性コミュニケーションのチャットによるオンラインでの研究発表会(「勉強会」)を通じて、継続性のある草の根教師研修活動を行っている。このオンライン・コミュニティーには世界中のさまざまなレベルの日本語教師をはじめ、日本の英語教師、大学院生なども参加し、日本語教育に関する様々なディスカッションを随時行っている。教員養成が教師研修においてもオンラインで行われることが多くなっている現在、「先生オンライン」の使用しているオンライン・ツール、運営方針や、具体的な運営方法、教師が持ち出す問題の例などが、他の教員養成講座などのプログラムの参考になればと願う。また、「先生オンライン」というオンライン・コミュニティーのこれからの発展と教師間のネットワーキングのためにも出席者の皆様に参加をお願いしたいと考える。

1. 「先生オンライン」とは

非同時性コミュニケーションのメーリングリストと、同時性コミュニケーションのチャットによるオンラインでの研究発表会(「勉強会」)をベースにした草の根教師研修活動で、1999年11月21日にeGroups(現在YahooGroups)にメーリングリストの方が発足した。2003年8月19日現在833名が購読している。第一回の「勉強会」は2000年2月24-25日に行われ、次回はTAPPED INを使って36回目が予定されている。

1. 1 目的

オンライン・コミュニティーを通じて世界中のさまざまなレベルの日本語教師をはじめ、日本の英語教師、大学院生なども参加し、日本語教育に関する様々なディスカッションを行い、ネットワーク、情報の収集、共有、メンバー同士のサポートを行う。メーリングリスト開始時にはテクノロジー中心のリストになるかと思ったが、コミュニティーが広がるにつれ、日本語教育に関するあらゆる側面のディスカッションが行われている。それを反映するように「勉強会」のテーマ、発表者も様々である。

1. 2 なぜオンラインでの草の根教師研修活動か

従来の教師研修活動は時間と場所を決めて行う事が多かった。

開催/参加費用、代理の先生の給料
家庭、その他の関係で家を空けられない
オンラインで行うと
インターネットがあれば自宅からでも参加できる
費用がなくてすむ
継続性がある
自主的である
世界中の同僚とネットワークができる

1. 3 メーリングリストのメンバー

177人が2003年5月30日から6月15日までの間にアンケートに答えた結果が以下である。

senseiOnline Member poll 2003

2. コミュニティーにおけるコミュニケーション

非同時性コミュニケーションのメーリングリストと、同時性コミュニケーションのチャットの組み合わせが、仮想空間におけるコミュニケーションを現実なものとして、教師研修として生かせるところまで持っていっている。

2-1. YahooGroupsで非同時性コミュニケーションのメーリングリスト

無料のサービスであるYahooGroupsを使用することによって、世界中の忙しい先生方同士のコミュニケーションを可能にしている。基本的に電子メールなので、テクノロジーが苦手な人でも気軽に参加でき、長期的、自主的、継続的な教師研修活動が行える。また発足当時からの6191の投稿は全て記録に残っており検索が可能である。

2-2. TAPPED INでの同時性コミュニケーションによるオンラインでの研究発表会(「勉強会」)

2-2-1 TAPPED IN とは: http://ti2.sri.com

SRI Internationalが無料で教育者のために提供しているオンラインの同時性コミュニケーションのツールであるとともに、教科や学年ごとのグループができあがっている。

2-2-2 「勉強会」の手順

1. 基本的にメーリングリストのメンバーからボランティアをお願いする。
2. 発表者が短いペーパーをオンラインに出版し、参加者が読む。
3. 発表者と参加者が決められた時間にQ&A、ディスカッションをオンラインで行う。
4. TAPPED INは無料で教育者なら誰でも利用できる。
5. ディスカッションの記録は参加できなかった人たちにも読めるようにオンラインで出版される。

2-2-3 TAPPED IN における技術的問題

ユニコードを使った日本語サポートが完全でない。
ラボなどのネットワークからごくたまにコネクトできないことがある。

2-2-4 36回勉強会

Misa Gratton "Basic IT Infrastructure to Support Japanese Language Education (2003)"
Misa Gratton, Carleton University
September 5th (Friday), 2003 at 7pm EDT
September 5th (Friday) 1pm Hawaii, 4pm PDT, 6pm CDT, 11pm GMT, September 6th (Saturday) midnight London, 8am Japan, 9am Sydney, 11am New Zealand.

3 参加のお願いと参加者の言葉

参考資料:
(1) senseiOnline Info: http://www.sabotenweb.com/bookmarks/about/senseiOnline.html
(2) senseiOnline homepage (YahooGroups): http://groups.yahoo.com/group/senseionline
(3) Benkyoukai page: http://www.sabotenweb.com/bookmarks/about/benkyoukai.html
(4) Member Handbook: http://www.sabotenweb.com/bookmarks/about/handbook.html
(5) TAPPED IN: http://ti2.sri.com



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